グッダイマイト。旅人まりーしゃです。私はバックパックひとつで世界を旅する身長152cmのミニマム女子。これまでに125カ国を周り、旅のコラムを書きながら日々のハイボールを楽しみに生きてます。えへ。
さて、今回も「theANko」をお供に「妄想旅」をお届けしたいと思います。今回の舞台は、オーストラリアです。
「レッツ theANko トラベル!」
オーストラリアの食文化を代表するもののひとつに、ミートパイがある。
ミートパイの歴史は古く古代エジプトにまで遡り、壁画に描かれていたのが最古だという。それから古代ギリシア、古代ローマ時代を経て、フランスやイギリス、その後オーストラリアやアメリカに伝わり独自の生活文化と融合していったそうな。
オーストラリアン・ミートパイはゴロゴロお肉にグレービーソース、タマネギ、マッシュルーム、チーズなどが入っていて、テイクアウトのフードスナックとしてよく食べられている。
自国の象徴的な食べ物と考えられていて、2003年には国民食として位置づけられ、国民の一人当たり1年間の平均消費量は12個だとか。(オージーの大柄な体型を想像すると思ったより少なく感じたりして…?)
フットボールの観戦中に最もよく食される食べ物でもあり、右手にミートパイ、左手でビールのスタイル「Two Guns」がオーストラリアの伝統的なマナーだそう。もちろん飲んだ後の小腹にももってこいなのだが、私がシドニーのパブで友人と飲んでいたある日、酔っ払ってご機嫌な帰り道のことであった。
路上で突然、こちらに笑いかけてくるのは、ショーケースの中に並んだミートパイだった。
そこにあったのはオージーなら誰もが知っている、「Pie Face」というミートパイ専門店。パイの表面に顔文字の様な絵柄で表情が描かれているのが特徴だった。
ショーケースに並んだミートパイはクラシックのものだけでなく、色々な味が展開されている。味ごとに笑顔だったり、寝ている顔や、不機嫌そうな顔など、様々なお顔。
「チキン&マッシュルーム君が、笑顔でこっち見てくるんだけど…」
私はたまらずオーダーし、まるでアンパンマンの顔をかじる様に、パイフェイスをガブリ!
すると、サクっと軽いパイの顔からあふれ出したのは、熱々のホワイトソースをまとったチキンとマッシュルーム。子供の頃、おうちに帰ってきた時にお母さんが作ってくれていたシチューを思い出す優しい味であった。
「あーたまらん!美味しすぎる!ミートパイって一種類だと思っていたけれど、バラエティ豊かだったんだ!」
そして妄想が膨らんだ。
これもしや、あんこ味あってもイイんじゃない…?
すかさず私はポケットに入っていたtheANkoをミートパイにニュルッとひと絞り。
「お、おおー!パイの皮はもちろんあんことの相性バッチリ!そしてお母さんの優しい味が、さらに和のお袋の味と重なり、マザー感アップ!日本が恋しい!」
お酒を飲んでいたせいだろうか、感想が少々おかしくてすみません。
「これは発明だ!この店、日本にも欲しい!フランチャイズで出店して、あんこ味も出そう…!」
妄想が膨らみ、私の顔までニヤニヤとパイフェイスの笑顔のようになっていると、そこに友人の一言。
「ねぇ、もう日本に店舗あるみたいだよ」
え。
なんと、2015年冬に日本上陸を果たしていた。
笑顔のあんこミートパイで一発狙おうという夢は脆くも崩れ、夜のハイカロリーにただ苦笑いするのであった。
(妄想です。が、出店を考えた話はリアルです。え。)
旅人まりーしゃ(Instagram) バックパッカーで旅を続けるコラムニスト。渡航国の数は125カ国。週刊プレイボーイのニュースサイトで6年にわたり旅のコラムを連載。Sサイズモデルとしても活躍。