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(仮)旅人まりーしゃの『あんこ』と世界妄想旅

あんこと旅するフィジー:パンチの効いたロティ編(11)

ブラ!旅人まりーしゃです。私はバックパックひとつで世界を旅する身長152cmのミニマム女子。これまでに125カ国を周り、旅のコラムを書きながら日々のハイボールを楽しみに生きてます。えへ。

さて、今回も「theANko」をお供に「妄想旅」をお届けしたいと思いますが、冒頭の挨拶から国を予想できたでしょうか?舞台は、南太平洋に浮かぶ群島国家フィジーです。

「レッツ theANko トラベル!」

フィジーと言えば、青い海が美しい常夏のビーチリゾート!

…をイメージしますが、旅人の私が降り立ったのはリゾート地への中継地点となる、国際空港のある都市ナンディだった。

そこはリゾートのリの字も見当たらない、現地民の生活が溢れる街。

じっとりと湿度の高い中、窓が開放された路線バスに乗ると、制服を着た現地の学生がおしゃべりをしながら下校している。

その中に紛れてたどり着いたバス停にあったのは地元のマーケット。どうやら学生たちの買い食いスポットのようだ。

すると、ほんのりスパイスの香りが私の鼻をかすめた。

香りになびかれるように進んで行くと、ゴリゴリのパンチパーマ頭をしたおばちゃんたちがロティを売っている。

ロティとは全粒粉を使った無発酵パンの一種で、クレープのようなもの。インドやアジア、アフリカ諸国で食べられていて、菓子やパンの位置付けである。

私が近付くと、
ギロリ
鋭い眼光でおばちゃんに睨まれた。

買うのかい?
か、買います(ゴクリ)

ナンディのマーケットにあるロティ売り場

おばちゃんの迫力に緊張しながら、私は商品を選んだ。

具の種類は、コンビーフ、ツナ、チキン、ラム。味付けは全てカレーで、四角い形にラップフィルムで包まれている。

コンビーフをひとつ

値段は日本円にして約55円と安かった。

ロティ。F$1(当時約55円)から

かじってみると、

「芋じゃん」

中から出てきたのはほぼほぼ芋である。ジャガイモであろう。芋の具合は半分くらい潰して半分くらいゴロゴロが残っていて、ボソボソしている。
そこに申し訳なさそうに、具がちょっぴり混ざっている。

ロティの中身はほとんど芋でした

カレー味の芋はシンプルに美味しいが、おばちゃんこそパンチがあるものの、ロティ全体としては物足りない…

そこで妄想が始まった。

私がおもむろにポケットから出したのは、飲むあんこtheANkoだった。

こんな時のチョイ足し救世主だもんね〜♪

ニンマリしながら、theANkoをロティに塗りつけると、パサついた芋にまとまりが生まれ、コンビーフの塩気とあんこの甘さが絶妙にウマイ!これ、アリだわ!

すると、

ギロリ

再びおばちゃんの鋭い眼光が光った。

あんた、私の料理にチョイ足しなんて度胸あるじゃないかっ!

ヒィ!

おばちゃんのパンチが飛び出す前に、私は思わずtheANkoを塗ったロティをおばちゃんの口にストレート!

うぐぐっ!…え!なによこれ!ウマイじゃないのさ!

おばちゃんはその味に戦意喪失したのか、しばらくの間黙り込んでいた。迫力満点だったパンチパーマが少し小さくなっているようだった。

そして表情はギロリからニコリに変わり、

いいパンチだったぜ…

と言い残し、マーケットの奥に消えていったのだった。(妄想です)

旅人まりーしゃ(Instagram) バックパッカーで旅を続けるコラムニスト。渡航国の数は125カ国。週刊プレイボーイのニュースサイトで6年にわたり旅のコラムを連載。Sサイズモデルとしても活躍。