カテゴリー
アスリート インタビュー

女子ホッケー日本代表・永井葉月さんインタビュー

 

永井葉月<ながい・はづき>公式サイト / Instagram / Twitter
1994年生まれ、岐阜県出身。女子ホッケー日本代表。オランダ・スペインへのホッケー留学を経て現在は日本代表チームに参加しながら「チームに属さないプロホッケー選手」として活動。情報発信や普及活動も精力的に行う。
父親はリオデジャネイロ大会でホッケー女子日本代表を率いた元監督・永井祐司氏(現在は日本ホッケー協会強化育成本部長)。母親も元日本代表選手で姉の友理選手弟の祐真選手も日本代表という生粋のホッケー一家。
【戦歴】
2016 リオオリンピック出場
2019 アジア大会優勝
2021 東京オリンピック出場
2017 / 2018 / 2019 / 2020日本リーグベストイレブン 4年連続受賞

今回お話を伺ったのは女子ホッケー日本代表の永井葉月さん。

スピード・パワー・テクニックと総合的な力が要求されるフィールドホッケーというスポーツで長年日本代表の座を維持している永井さん。マイナースポーツとくくられることも多いホッケーですが、女子の日本代表は2004年のアテネ大会からオリンピックに連続出場し好成績を残している強豪です。

そんな中であえて「チームに所属せず」現役の日本代表であり続ける道を選んだ永井さん。その理由や、直面している問題についてもお話してくれました。

現役選手として子どもたちへ指導を行うこと

—-ジュニアや学校のホッケー部などに指導を行っているそうですね。それがチームに所属しない理由でもあるとのことですが。

永井)チームに所属していないので、いろんなところに行けるんですよ、自由な時間が多くて。引退を撤回して現役復帰した理由というのも実は指導のためというのがありまして。現役選手だからこそ伝えられることってたくさんあるんです。現役選手がいろんな学校に回るなんてことはこれまでできなかったと思うのですが、でも今の私はフリーだからこそそれができるんです。

子どもたちの夢へのサポートをどんどんしていきたいし、ホッケーをたくさんの人に知ってほしい。そのきっかけを作るための普及活動を頑張っています。今後の目標は全国の学校、47都道府県を指導して回っていけたら、と思っています。

—-そこまで強く勧めたいフィールドホッケーの魅力を、この競技を知らない人たちに説明するとしたら?

永井)私が思うホッケーの魅力はまずゲーム中のスピード感でしょうか、ボールも速いですし。わかりやすいのはゴールに入った時の音ですね。すごい音がするんですよ、ズバァァァンって。女子も男子も、シュートを打ったボールのスピードは150キロくらい出ますから、入った時のゴールの音というのは快感ですよ。

あとはパスをつないでいってゴールする瞬間、チームが一つになる感覚があり、そういうところが魅力だなと私は感じてます。

東京オリンピック直前での大けが

—-スピード感があれば危険も伴うわけですよね。東京オリンピック前にも大きなケガをされたそうですが。

永井)東京オリンピックの前の練習試合で他の選手と接触し、それがたまたま相手の肩と私の顎が当たってしまったんです。顎の骨を3本折る大きなケガになってしまいました

お医者さんには「絶対にオリンピックは出られませんよ」って言われるくらいのケガでした。すぐ手術になりましたが、喋ることすら難しくて。ああ大変なケガをしちゃったなぁと思ったんですけど、それまで東京オリンピックで結果を残すためにスペインに行ったり、オランダに行ったり、いろんな経験を積んできていたので、ここで諦められないと奮起しました。

オリンピックの1ヶ月前というギリギリの時期だったので、お医者さんは最後までいい顔をしませんでしたが、上半身のケガだから下半身さえ動けばできるんじゃないかと試行錯誤し、その甲斐あって東京オリンピックには一応出場することができました

 

この投稿をInstagramで見る

 

Hazuki Nagai(@hazuki815hazuki)がシェアした投稿

—-顎の骨3本折って1ヶ月でオリンピックってすごい話ですね。具体的に病院やリハビリでやったのはどんなことですか?

永井)まずコロナもあったので、外に出ることはできなかったんです。で、本当はあんまり良くはなかったと思うんですけど・・・病院に屋上があったので、そこでこっそり、あのもうホント痛いんですけど、手で押さえながらランニングをして体力を落とさないようにしてたりとか(笑)

あとは人がいないところでちょっとスティックを持ってチューブトレーニングをしたり、とにかく体力を落とさないようにやれることをやっていました。屋上で(笑)

フリーのプロホッケー選手としての利点と困難

—-爆速復帰の理由は屋上トレーニングだったんですね。先ほどチームに所属しないでフリーで活動されていることについて少し伺いましたが、それについて良かったこと、困ったこと、などを具体的に教えていただけますか。

永井)日本表の合宿がだいたい1ヶ月に1回あるのですが、それ以外の時間は自分の中でちょっと休憩できる感じですね。体力的にもそうですが気持ちの面で、1回違うことをすることによって、いろんな意味で切り替えられます。メリハリというか、戻った時にフレッシュな気持ちで臨めるところがとてもいいと思っています。

困っているところは、場所を移動して色々なチームに合流して練習するので、都度それに対応することが難しいなあと感じます。あと、基本的には一人でメニューを組んでホッケー以外のトレーニングをしなければいけないので、頑張ろうと思う気持ち、モチベーションを保つことですね。

—-モチベーション維持は永遠の課題ですよね。何かご自身でやっているモチベーションアップの方法やスキルがあれば教えてください。

永井)自分が一番うまいと思うことですね。一番うまいからこそ努力をする。一番うまいと思うためには練習をしないといけないですから。

あとモチベーションになることって、オリンピックに出場するなどの大きい目標が何よりなので、今はパリオリンピックに出場して結果を残すことが一番のモチベーションです。

また子供たちに指導をすると、子どもたちのホッケーに対する熱い思いを私が受けとれるんですね。子どもたちから自分も学べて初心に帰れる。改めて「私ってホッケー好きだよね」って思えるとモチベーションが上がります。

さらに、自分が活躍すると指導を受けた子どもたちが喜んでくれるだろうなと想像してまた頑張れる。この環境は、指導と競技とが良い相乗効果を生んでいると思います。

ヒルナンデスでtheANkoが紹介された際のVTR出演

栄養補給とtheANko

—-指導することが自分にも良い効果を及ぼすというのは最高のwin-winですね。では、食事や補給についてのお話を。普段心がけていることや習慣にしていることはありますか。

永井)私は基本的に糖質を摂ることをすごく大事にしています特に試合前や試合後にすごく意識しますね。朝ごはんにtheANkoとパンで「小倉トースト」を食べたり。

試合後は終わった時点で早く何か体に入れなきゃ!と慌ててプロテインや果物を摂ります。バナナが多いかな。なるべく試合会場からホテルまでの移動の中で食べるようにしています。

「今日はものすごく走った!」っていうときはパッとtheANkoを出して一気に食べたり。私は昔から本当にあんこが大好きなので、そのときは「試合頑張ってよかったな」って噛み締めます(笑)。ちなみに岐阜出身なのでつぶあんが一番好きです。

—-では最後にひとことお願いします。

私たちフィールドホッケーの競技は今、パリオリンピックの予選に向けて強化合宿をしています。本当に大事な大会になってくるので、しっかりtheANko・飲むあんこを摂って、体調管理に努めつつ、パリオリンピックに出場できるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします。

—-パリオリンピックで永井さんのプレーを見ることを楽しみにしています!本日はありがとうございました。