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アスリート インタビュー

ウルトラトレイルマラソン(香港)2020女子5位・会田雪子さんインタビュー

theANkoが応援するアスリートの皆さんをご紹介するインタビューシリーズ。今回は「ほぼ運動経験なし」で30歳を過ぎてからウルトラマラソンに挑戦し始め、Ultra-Trail Tai Mo Shan2020で女子5位に入賞した会田雪子さんをご紹介します。

●”ウルトラマラソン”というのは、42.195kmを超えるレースという定義だそうですが、会田さんが参加するレースでは何キロくらい走るんでしょうか。

ウルトラトレイルランニングでは単位は100マイル(=約170 km)になります。世界水準でトレランに参加していたら、100マイル走らないと世間話にも入っていけない(笑)。 マラソンだとゼーハー必死で走らないといい成績は出ませんが、100マイルレースではどれほど世界の速い選手でも20時間、女性だと40時間かかったりするんです。速さとか身体能力だけじゃなくて、補給食や睡眠、ペース配分をトータルでマネジメントしてようやく完走ができるという特殊な競技だと思います。そういうところが面白さですね。速く走れるだけが強いんじゃないんだっていう。

●とはいえ、やっぱり走ることが得意じゃないとなかなか参入しないジャンルではあると思うのですが、走ることは好きだったんですか?

実は私、34歳でランニングを始めたんです。昔から足は遅いし、走ることなんか嫌いという部類だったんですが、34歳のときに病気を患いまして。体力をつけて病気を克服したいと思い、まずは嫌いな走ることから始めてみようと。
マラソンってわかりやすくて、がんばった分だけ数字が伸びるんです。それが励みになって自分でも頑張って走ったんですが、やっぱりどうも走ることが好きではないんですよ(笑)。その時に出会ったのがトレイルランニングという山を走る競技。山は好きなのでたちまち夢中になりました。ただそのトレイルランニングの世界的な距離の基準が100マイルだったんです。それでこっち側の世界へ入っていったわけです。

●走るのが嫌いだからトレイルランでさらに長い距離へという、消極的な理由から積極的な結果になっているのが面白いですね。チームに所属して練習しているんですよね?

日本のトレイルランニングの第一人者と言われている鏑木毅さんのチームに所属しています。チームの中でも世界トップレベルの人から、私のように国内で女子で入賞できたらラッキーみたいなレベルまで幅広いんですが、所属して3年目になります。
メンバーは男性も女性も、やっぱり異常にタフでおおらかな方が多い印象です。他人と競い合う競技ではなくて自分との戦いという面が強い競技なのでわりと競技年齢が高いんです。40代中盤がメンバーとしては多いですね。

男女問わず、「変態的」と言えるような練習を普段からやっています。24時間ぶっ続けで走ってみたり、1日で富士山を4回登ってみたり。私たちは「一筆書き」って言うんですが、富士山は登山道が4本あってそれを一本ずつ全部通って4回登るから一筆書き。

●富士山の「一筆書き」は恐れ入りました。そんな過酷な練習を積んでも、やはり本番のレースはさらに過酷だそうですね。

寝ながら走って山から落ちるとか、走りながらゲーゲー吐くとか、歩きながら幻聴幻覚を見て木に向かって話しかけたりとか。。。 とりあえず最終的には食べられれば死なずにゴールできるので(ニッコリ)。諦めなければ絶対誰もがゴールできる競技だと思っています。最終的に精神力ですね。

思い出深いレースは、今年1月の第1週目に香港で行われた100マイルレースです。私にとっては2回目の100マイルレースでした。初めての100マイルレースはボロボロで何も出し切れなかったという後悔があったので、ちゃんと最後まで走りたいという思いで、体づくりや補給食を特に見直しました。

出発2日前から38度の熱が出てしまって。走れる状況じゃないなと思いながらも一年かけて準備してきたので、リラックスして挑もうと参加しました。やっぱりちょっと苦しみましたが、一方で現地のボランティアスタッフが非常に温かかったです。私が倒れてるところに何かしら口に入れようとしてくださったり、介護してくださって。最終的にはゴールできた上に、成績は女子5位でした。

完走できたことも嬉しいし、それなりに個人でも良い成績が取れたのが嬉しかった。最終的には自分を信じてあげることと補給食をとりあえず食べ続けること。それをすれば絶対に体が復活することを体感しましたね。あのときはゴールしてもまだ走れるような感じでした。

●補給食の話が出たので、詳しく伺います。theANkoは補給食としていかがですか。

荷物は軽い方が良いので軽量化するために皆さんハイテクな装備を色々工夫しています。補給食も何gで何カロリーか、どの局面でどんなエネルギーを取るか、それぞれ戦略を巡らせます。

ドロップバッグというリュックに補給食やドリンク、着替えなどを詰めて走りますが、レースでは荷物を1gでも軽量化したいので、私はtheANkoのパッケージのフチをハサミでぎりぎりまで切り落とします。さらに、元気なときに一度キャップを開けておく。なぜかというと、ふらふらで握力がなくなった時に食べたいと思っても開けられなくなってしまうから。

theANkoのいいところはたくさんありますが、まずパッケージが透明なのがいいですね。中身が見えると元気が出ます。私、しろあんがすごく好きなので、取り出して「しろあんが食べれる!」と嬉しくなります。本当にちびちび一口ずつ飲みながら走ってたんですが、お守りみたいでしたね。

体が極限状態のときに一気に食べると胃腸障害が起こるんです。 胃腸に血流が回っていないため消化吸収がうまくいかなくて。嘔吐してしまうのでなるべくゆっくり少しずつ 食べるんです。固形ではないことと少しずつ摂取できることがすごくウルトラレースでは重要なんですね。だからリキャップできることや、水がないところでもちゃんと喉を通ってくれる喉越しの良さはすばらしいです。最後の1gまで愛おしいです。

●そんなに熱くtheANkoを語っていただいてありがとうございます(涙)今後の予定など教えてください。

トレイルランニング競技者の誰もが憧れるのがフランスのモンブランで開かれる通称UTMBという世界最大のウルトラトレイルレースです。私も今年参加予定でしたがコロナで延期になったので、来年の8月に向けてトレーニングを積んでいます。今年の香港のレースが自分の中で初めて成功事例として確信が持てたので、さらなるステップアップができるんじゃないかとワクワクしています。補給食など摂取するもので自分のコンディションをいかに整えるかというところがこの競技の醍醐味でもあるので、少しでも美味しいものや自分の好きなものを食べて臨みたいですね。

マラソンを完走することも、山を登ることも普通の人にとっては決して簡単ではないのに、ウルトラトレイルマラソンは山を登りながらマラソンの何倍もの距離を走ります。会田さんが何度も言っていた「ただ速く走るだけのレースではない」という言葉には、準備や体づくりも含めて自分が組み立てて楽しむレースであるという意味が含まれているのだと思いました。過酷なレースの中、theANkoが少しでも気持ちと体を癒す助けになれば幸いです。

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