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アスリート インタビュー

eセーリング全日本選手権大会優勝・木暮俊貴さんインタビュー

今日は新しいスポーツ「eセーリング」の話です。

ゲーム機・PC・スマホなどで行うeSPORTSの中で、最近めきめきとファンを増やしているのがeセーリング。技術の進歩によって、再現度がリアルに限りなく近づいていること、またコロナの影響でリアルでの練習が難しくなったことも人気の理由のひとつ。

今回は、8月21日・22日に開催されたeSailing全日本選手権大会2021(Japan Championship)で見事優勝された木暮俊貴さんにお話を伺いました。聞き手は元アスリートの弊社社長・平子です。

木暮俊貴 <こぐれ・としき>(ゲーム内でのユーザーネーム:KG-R/Toshiki Kogure):2017年、首都大学東京(現・東京都立大学)体育会ヨット部に入部。リアルセーリング上達のために、ヨットレースのゲームを様々試している中で2019年からVirtual Regatta Inshore(VRI)をプレイし始める。
戦歴:全日本選手権2020&2021 優勝。オリンピックバーチャルシリーズ ナクラ17級 7位。

■■日本選手権を終えて

-このたびは日本選手権優勝おめでとうございます。今回の日本選手権では決勝8レース、予選8レースを戦いました。予選で4種類、決勝で5種類の船を操艇したことになるわけですね。

そうですね、ゲームの中では船が11種類ぐらい用意されています。本選と予選でちょっと違ったはずですが。

-船が違うことで大きく操作が異なるものですか?

1枚または2枚のセールで走るヨットはボタンが少ないんですが、3枚目のセールを隠し持っていたりすると、そのためのボタンが増えます。追い風を受けて走る時に使うものですね。

-8レースをやり切るのは時間がかかるものですか?

そうですね、時間については1レース当たり10分から15分かかって、8レースで2時間くらいでしょうか。海外のイベントなどだと3レースとか5レースとか短いのもあるので、短期決戦になって、そういう時は逆に戦略をどうしよう、みたいなのもありますね。

-集中力も必要で色々消耗すると思いますが、エネルギー補給のようなものは用意されていますか。

補給食については全日本選手権で言えばそんなに用意はしていなかったです。ただ水分はこまめに摂るようにしました。

ちょっと微妙な時間帯だったんです、午後7時から9時までという。お腹を満たし過ぎてもいけないし、空腹だと2時間そのまま過ごすことになりますし、途中で食べるっていうのも難しい。なかなかちょうどいい補給食がなかったので、1レース目の前にアイスバーを一つ食べました。それだけで乗り切った感じですね。

-なるほど。一般的にはエナジードリンク的なものを摂る方も多いと思いますが。

そうですね、でも僕は炭酸が好きではないので普段からあまり飲まないですね。

-eSPORTSでは準備運動ってどうされるんですか。手とか首とか回したり?

僕はスマホでプレイしているんですけど、親指だけ動かせれば大丈夫なのでしないです。

-スマホなんですね!そういう方は多いんですか。

勝手な推測ですけど、スマホの方が若干多いんじゃないでしょうか。僕の感覚だとスマホやタブレットが6割くらいかなと思っています。

■■世界大会について

インタビュー中の木暮さん

-世界大会に出場する場合は開催国の会場に行くんですか。

コロナ前は、世界選手権はファイナリストが一カ所に集まってレースするっていう形をとってたはずですね。去年の世界選手権からオンラインになりましたが2019年までは集まってたみたいですね。

-2019年は出場されていなかったんですか。

ないです。世界選手権は僕はまだ無縁というか、決勝に進出するのが難しいので。去年初めて出場のためのプレイオフに挑戦しましたが全然上位に届かなかったです。

-ブログを読ませていただいたんですが、トップアスリート的な考え方などが運動のスポーツアスリートに近いように思ったんですが。

そうですか、実は去年まで大学のヨット部に入っていて、スナイプに乗っていたのでそうかもしれません。

ヨット部時代の木暮さん

-なるほど。木暮さんが思う日本と世界との違いって具体的にどんなところですか。

世界に比べるとまだまだ日本は発展途上ではないかなと。人口も去年から少しずつ増えてきましたが、世界と戦える選手層はまだ厚くないように思います。海外ではプロゲーマーとしてやっている人もいるので、そういう人たちと比べるとなかなか練習時間や内容が追いつかないですね。

ヨーロッパのプレイヤーが多いんですけど、向こうでは環境的に上手い人同士で集まりやすいんですね。アジア圏だけではそういう集まりを作ることが難しいので、時間を上手くあわせて海外の人となんとか練習しているのが現状です。

-時差や言葉の壁もあって時間や経験を積むことが難しいということですね。レースの中継を見ましたが、解説の方が『今回の日本選手権はすごくきれいなレースで』と発言されて。外国ではぶつけたりなどアグレッシブと言うかちょっとダーティーなプレイ、そういうのは多いんですか。

どちらかというと多いかなと言う感じですけど、僕自身も結構きついプレイングをする自覚があります。ただ目立たないように気をつけているので(笑)。

プレイのレベルが高ければ高いほどダーティーなプレイもどうしても必要になってくる。それくらいのプレイもしなくちゃ世界では勝てないってところがあると思うので、今回そういう感想を解説者が持たれたんだと思います。

■■あんこについて

-今回優勝賞品でtheANkoをお贈りしましたが、いかがでしたか。

僕は毎日トレーニングをしていて、2日に1回は筋トレをしていますのでそのとき試してみました。飲んでみたら、頭がすっきりすると言うか、効いてそうな感じはありましたね。1回目は筋トレのインターバルと終了後に分けて飲んで、2回目は筋トレを始める前とインターバルで飲みました。トレーニングの後の空腹感もないし、いい状態だなと感じました。

-飲みにくさとかはありませんでしたか。

つぶあんだと吸う力が必要だなとは思いました。あと、結構量があるんだなっていう(笑)。小さいように見えてたくさん入ってますよね。

-今回eSailingをする際にはお試しいただけましたか。

まだ試していないです、ゲームだけならそんなにエネルギー摂らなくていいのかなと思って。でも大きな大会の前など、さっき言ったアイスみたいな感覚でパパッとエネルギー補給できるし、インターバルにこまめに飲むのにも便利なので大会のときに試してみたいですね。

-ちなみにtheANkoはパックごと冷凍してアイスみたいにすることもできます。アイスは身体や脳を冷やすっていう効果もあるので、そういった使い方もぜひ。

アイスを食べるっていう作戦は少し前のオリンピックイベント関連で試して、そこからですね。それ以前はお腹もすいていたので、カップ麺とか食べていたんですけど、アイスって手軽でいいなと。

-実はあんこって腹持ちがいいんですよ。お腹に入れすぎるのがいやで適度に入れたいって話がありましたが、eSPORTSは脳を酷使するけれど、食べ過ぎると脳が回らなくなる。そういう場面でぜひ今度試していただきたいです。

そうですね、頭も目も疲れます。日ごろの練習の時にはどんどんレースをして回していくのでそんなにインターバルもないんですが、ちょっと時間が空くようなレースでもあまりリフレッシュタイムは取らないです。強いて言えばラジオとか聞きながら、というときはありますね。

-意外と平常心でプレイしているんですね。超集中の状態で複雑なシミュレーションを頭の中で高速スピードでやっているのかと。逆にそれをやっちゃうと疲れるんですかね?

今までの練習した分を信じて、リラックスした状態でやっています。

■■今後について

-リアルヨットは最近されていますか。

大学のヨット部の方は今は引退しています。引退前からコロナでなかなか活動もできなかったんですけど。後輩の練習を見に行ったりはしようかなと。機会があればクルーザーにも挑戦したいです。

-近く試合の予定はありますか。

私が出場する試合は、しばらくありませんが、11月6日に行われる世界選手権決勝には、日本人プレイヤー(優月-Yustuki)が出場します。
11月7日のネーションズカップは国別対抗戦です。日本チームも出場していましたが、ベスト8で終わりました。

・11月6日 午前5時  世界選手権決勝
・11月7日 午前5時  ネーションズカップ決勝

いずれも朝早い時間ですが、ぜひリアルタイムでご覧いただきたいと思います。

今後も木暮さんのご活躍を楽しみにしています!